学校経営方針
令和6年度 学校経営方針
1 伝統・地域
(1) 校訓 「正しく 進んで 仲よく」
昭和30年度の学校要覧の五.本校教育の目標には「郷土社会の実状に即し学区内の要望や期待を考慮し、児童の実態に即応した取り扱いを誤らず、個性の伸長と自律心の啓培につとめ、協力性を重んじ民主性の涵養につとめ、明るく楽しい校風を樹立して教育目的の達成を期する。」の文が綴られ、その項の結びとして、校訓「正しく 進んで 仲よく」が記されている。
その10年後、昭和40年度の学校教育計画書の1.教育目標の(2)では、教育基本法及び学校教育法に示された目標をふまえ「正しく:(正しい行いのできる丈夫な子)、進んで:(すすんでよく考える子)、仲よく:(仲よく話し合える子)」と、人格の完成を目指した具体的な目標と結び付けて校訓を示している。
本校の校訓は、社会の状況が刻々と変化していく中、不易な価値として脈々と受け継がれてきている。そして、令和の新しい学校教育においても、人づくりの根幹を指し示すものとして、ますますその不易な価値は重要さを増している。
(2) 地域と共にある学校
○旧竜洋町の頃より、青少年の教育に大きな力を注いでいる。地区スポーツクラブの行事は今もなお、盛んに行われ、多くの児童が参加している。
○町づくりのための組織が堅固で、その力が学校教育を支えてくれている。
○掛塚地区は貴船神社があり、「掛塚まつり」と呼ばれる祭礼は広く知られるところである。そして近年、掛塚以外の地区でも祭礼が盛大に執り行われるようになってきている。この祭り行事で見られるように、地域の結束力は強く、学校教育に対しても大きな期待と関心を寄せてくれている。
○学習ボランティア、見守り隊など、本校児童の健全な育成に尽力されている方が大勢いる。
2 本校児童の実態と教育課題
本校児童は、明るく活動的である。また、素直で、自分が受け持つ仕事にしっかりと取り組もうとする。友達思いの言動も多い。学習に関しては、自分から進んで課題を見付けたり、聞き手に分かるように発表したりする様子が多く見られるようになってきた。これら本校児童のよさを大切に守り育てる一方で、以下の点については、本校児童がさらに伸ばすべき課題として意識し教育計画を構想していくようにする。
・相手の気持ちまで考えた言葉遣いができる。<他者意識・他者理解>
・自分(たち)で考え、判断して行動する。<気付いて考動><聴く>
・思いやりの心をもって協同する。<他者意識・他者理解><聴く>
・自分の思いだけではなく時と場の状況・相手の思いを考え、適切に関わる。
<感情のコントロール> <聴く>
3 経営の理念
(1)基本的な考え方
ア よりよく生きる力を育む
本校は長く、人間尊重の教育を基盤に、児童に「人間らしい心」と「人間らしく生きるための基礎・基本」を身に付けさせることを経営の基調としてきた。また一方、新たな教育の方向性として、予測不能なこれからの社会を生きるために、教えられたとおりに行動するだけではなく、新しい状況、未知な状況に進んで対応し、自分で打開していく力の育成が求められている。この2つに通底するものは、よりよく生きる力の源を子どもの内に育てたいという願いである。この願いを楔(くさび)として本校教育の地盤に力強く打ちこみ、教育力・学校力・教師力を最大限に高めていきたい。
イ 子ども第一主義
学校は単に知識を伝達する場ではない。子どもの興味・関心を源とする創造の場である。また、未来につながる生き方を学ぶ場である。したがって、教育課程は、子ども第一主義に立ち、子どもが今生きている地域に開かれたものとしていかなくてはいけないと考える。子どもを真ん中にすえ、教職員、保護者、地域の人々がそのことに真剣に向き合っていくことが必要である。そのためにまず、一人一人の教職員が、教育の本質の追求を自分ごととして行っていくことから始めていかなくてはいけない。
ウ 先達の思い
さらに、具体的な教育活動を推進するにあたり、竜洋西小学校教育をつないできた先達の熱い思いが伝わる昭和30年度学校要覧にある言葉を、それを引き継ぐ我々現教職員の心得の一つとして心に留めておくようにしたい。
<昭和30年度学校要覧 六.本校教育の方針より>
「教育の振興は、教育者の人格を磨きよき指導者となって児童に無言の感化を及ぼすことにその根源のあることを信じ、よき環境のもと適切な方法を以ってすることが、その効果をあげる最良の道であることを思い、日々の研修を怠らず児童心身発達の程度を考えて児童の伸びる自然の法則に即して教育を行い、その目的の達成を期する。」
(2)本校教育の理念
○肯定的子ども観
子どもは自らよりよく生きよう、伸びようとする存在である。教育とは、その力を芽吹かせ、実らせていくものである。
○人として尊重される子ども
子どもを大人と同様に人として尊重することは、そのこと自体が大切な教育的働き掛けとなる。
○親しみでつながる人間関係づくり
成長には他者の存在が必要である。他者とは、人であったり、物であったり、
事であったりするが、子どもにとっては、親しみが感じられ働きかけることがで きる他者であることが重要である。中でも人の存在は特別であり、親しみでつながる人間関係づくりが不可欠である。
○互いに聴き応え合い、学び合う仲間
創造的な活動・学びの原点には必ず学び手(子ども)の真剣な思いがある。互
いにその声(訴え)を聞き、互いに応えることによって学びは深まる。応答的行為に満ちた仲間(集団)の中で個々の学ぶ力は伸びていく。仲間と学び合うことで、学ぶことの楽しさは増幅する。
〇学びを誘発する学習環境
生きる力を育むためには、子どもたちを主体的で能動的な学び手となるように
しなくてはいけない。そのために何が必要であるかを考え、準備するのが教師の
役割である。何をどう教えるかということを見極めるのと同時に、子どもが、学
びへ誘われる必然性のある環境を作ることにも力を向けていきたい。
(3)教職員の心得
〇子ども第一主義
〇肯定的子ども観・子どもを人として尊重する姿勢
〇共感的態度・深い子ども理解
〇親しみでつながる人間関係
〇地域に生きる気概
(4)学校経営目標 ⇒ 『子どものプラス発信』⇒『大きな信頼』
〇安全・安心な学校づくり=【一人も独りにしない】
・多様性を力にし、全員が安心感をもって生活できる学校を目指す。
・自分(たち)で気付き、考えて行動(判断)する力が育つ場を大切にする。
〇授業づくりは学級・学年・学校づくり=【子どもが主語の授業】
・学校教育の中心である授業(主体的・協働的・探究的な学びを展開)で育てる。
・共感的子ども理解とともに、生徒指導が機能した授業づくりをする。
〇共育=【チーム竜西】
・教職員がやりがいを感じ、主体的・協働的に、共に高め合う教職員集団を目指す。
・地域に生きる気概を高め、学校・家庭・地域が連携し、共に育ち合う学校にする。
4 学校教育目標
「えがお かがやく にしのこ」
笑顔の内には、希望に満ちた活力がある。「えがお かがやく」の言葉には、どの子も、よりよく生きようという希望に満ちた活力がみなぎる人に成長してほしいという保護者・地域・教職員の強い願いが込められている。
5 重点目標
学校教育目標「えがお かがやく にしのこ」をめざし、「知」「徳」「健康」の観点から「目指す子どもの姿」を掲げ、それらを重点目標として教育活動を具現していく。
<目指す子どもの姿>
○対話を通して 学びをつくり 実感する(知の観点)
「本気で考え みんなと学ぶ子」
○他者に心を寄せ 自ら判断し 正しい行動をとる(徳の観点)
「自分も友達も大切にする子」
○健やかで 活き活きと 生活する(健の観点)
「友達と元気に生活する子」
【合い言葉】<教職員>【子ども中心】の学校を創ろう 「聴く」「他者意識・他者理解」「感情のコントロール」 <児 童>【みんなとつくろう 西の子スマイル】 「気付いて考動」「思いやりの心で聴こう」 「やる気・勇気・元気」 ※西の子ツリーの3本の木(やる木・ゆう木・げん木) |
6 重点実践事項
重点目標として掲げた3つの目指す子どもの姿の達成に向け、以下に示す具体的な子どもの活動及び教育環境を生み出していく教育計画を立案し実践していく。
(1)「本気で考えみんなと学ぶ子」が育つ活動・環境
○対話を通して 自分の考えを深め 学んだことを自分の言葉で振り返っている
(2)「自分も友達も大切にする子」が育つ活動・環境
○「にしのこのやくそく」を みんなと考えて 行動している
(3)「友達と元気に生活する子」が育つ活動・環境
○友達と仲良く関わり合いながら 楽しんで運動や外遊びをしている
7 安全・安心を保障する学校
○PTA・「にしのこ見守り隊」等との連携を深め、登下校の安全を確保する。
○実際に即した防災・防犯訓練及び防災教育の充実を図る。
○子どもも保護者も相談しやすい雰囲気と体制を整える。
○適切な情報発信と保護者・地域の声の受信に努める。
○保護者や地域の方が活用し親近感がもてる、地域と共にある学校を目指す。
8 職場環境改善
子どもたちが心弾ませて通学し、力を高めることができる学校を創っていくために、教職員一人一人の心掛けによって、教育力を最大限に発揮できる職場環境にしていく。
(1)校務の整理を的確に進める。
教職員の勤務実態を把握するために、グループウェア「ミライム」またはタイムカードにより出退勤時刻を管理する。また、退勤予定時刻を自分で決める。教職員自身が勤務時間把握、振り返りをする中で仕事の効率化についての意識化を図る。さらに、勤務時間管理簿を管理職が分析し、業務内容と進捗状況を加味した上で、助言を与えたりチームによる業務変更を行ったりする。その際、「公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針」に示されている在校等時間の上限を超えないように留意する。
(2)協働体制を教職員一人一人の意思に基づいて創り出す。
教職員人事評価制度を活用し、組織活性化にもつながる目標やその取組について面談を行う。また、管理職はその状況把握に努め、チームとして機能しているか効率的に進行しているか等について助言を積極的に行っていく。さらに、運営プロジェクト部会で、各学年の状況や取組について検討する場を設けていく。OJTを推進していく。
(3)情報化の推進と校務の効率化を図っていく。
大型モニターやGIGAスクール構想により導入されたタブレット型PCを積極的に活用し、学びの個別最適化を図る。また、校務処理では「ミライム」や「コドモン」「スズキ校務」を活用し、情報の共有、業務の効率化を図る。
(4)学校評価と連動させて業務改善を図る。
児童、保護者等からの学校評価を生かし、教育活動の見直し、改善を行い、さらに協働意識を高め、ともに豊かな学校運営を目指していく。また、プロジェクト会議を定期的に開催することで、PDCAサイクルを効果的に運用していく。
(5)保護者・地域のサポーターとの協働体制を確立・継続する。
学校運営協議会と地域学校協働活動推進員を核として、保護者や地域の方が積極的に教育活動に参画できるように働き掛けることにより、協働意識を高め、地域と共に豊かな学校運営を目指していく。